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菜の花を好きな私が好き?

レシピサイトを見ていたら菜の花!旬!というワードが気になって食べたくなった。ほろ苦さ、春菊と同じくらいさっと火が通るので火にかけると焦る感じ。きれいな緑色。

 

菜の花の売られ方は独特。なんかぎゅっとして紙に包まれている。値段もサイズにしては高い気がするけど春を感じる食べ物だから時価みたいなものなのかもしれない。

 

レシピをみてびっくりするのは、たいていのレシピで使われる菜の花は1/2束。なんとなく春菊のイメージが重なっているので半束なんてちょっとになってしまうんじゃないか?と思うんだけど実際菜の花の嵩はそんなに減らない。

 

菜の花初日はみんなのきょうの料理にあったレシピを参考に「鳥むねと菜の花のさっと煮」を作った。おいしくできた。菜の花は思ったよりたっぷりあって、この日はあったかかったのもあり、春を満喫した気分になった。

 

翌日も冷蔵庫に菜の花はある。今度はクックパッドにあったレシピを参考に「菜の花とたまご炒め」を作った。ほんとうは豚肉なんだけど、前日の残りの鳥むね肉を使った。こちらもおいしくできた。でも、二日目はいよいよ菜の花のボリューム感が気になってくる。まるで調理して増えているかのような存在感。ほろ苦いを通り越して苦いのでは。ふわふわしたたまごと絡んでおいしかったのは最初の1/3くらいで、後半は義務感のように食べた。

 

菜の花は春の訪れ野菜だし、少し憧れのような気持ちがあった。ふかふかとしたソラマメを買ってきて茹でるようなテンション。満を持して買ってきた菜の花に、飽きてしまうなんて。ひょっとして旬を味わえる自分に酔っていただけなのか。私が好きなのは菜の花じゃなくて菜の花を好きと思える自分?みたいなありがちなツッコミを入れたくなる。

 

一人暮らしで自炊をするときに念頭におかなくてはいけないことがあって、それはたいていのレシピは2人分か3人分を想定していること。いつもは頭の中で調味料を1/2に計算しながら作っているのに、菜の花が登場してからというもの、菜の花1/2束なら一人で軽く食べられるのでは?という邪念が入りこんでしまった。気になってレシピを確認するとどちらも2人分の分量。菜の花はもちろん、肉もたまごも二人分の分量を一人で食べていた。その上常備菜として副菜も。食べ過ぎ。お腹いっぱい。菜の花を味わうどころじゃなかった。

 

私に足りなかったのは菜の花を味わうセンスではなく、ひとりぶんの料理を作るんだ、という緊張感で、食べようとすれば食べられてしまうからレシピ通りに作ってしまうと最後の方はおいしさが薄まってしまう。和食を作るときは特に、外で食べるときの小鉢や中くらいのお皿に上品に盛られた主菜や副菜の数々を念頭におく必要があるし、万能なイッタラの白い21cmボールの限界かな、と最後は物欲で頭がいっぱいになりそうになったのでとりあえず思考を止めてみる。

部屋着を新しくしてよかった話

三連休だったので部屋にいられる時間が長かったんだけど、つくづく思うのは年末に部屋着を買い換えてよかったということ。

 

ときめきとかガラクタとか、片付けに関する本を読み過ぎたせいで部屋着の選び方がこんがらがってしまっていた。大筋は部屋にいるときこそ最上のものを、みたいなことなんだろうけど、部屋における最上ってなんなのが微妙なところで、リラックスすることを考えると着心地を重視すべきなんだろうけど見た目も無視するわけにはいかないし、そもそもどこで買えばいいのかよくわからない。ユニクロのフリースを着ていた時期もあったけど静電気がすごくて長時間着ていられなかったし。かわいい部屋着の代名詞的なジェラート・ピケはファンシー過ぎて恥ずかしいし、あのもこもこパステル素材は長持ちしなさそう。

 

気づけば5年以上同じ部屋着を着続けていた。ボトムはフリンジのついたケイキィみたいな名前のブランドのうすいグレーのスウェットで、トップスはキッドブルーの中綿素材のうすいクリーム色に白いドットが入ったもの。スウェットは当時よく通っていたネイルサロンに行く途中にある小さなセレクトショップで買ったもので、気に入って色違いで2本買った。うすいグレーとネイビー。その頃はカジュアルな服装が好きだったので、少し長い丈を靴下に入れ込んでヒールを合わせたりスニーカーを合わせたりして外出時に堂々と着ていた。担当のネイリストさんはもう独立したしそのネイルサロン自体が移転してしまった。キッドブルーのセールはくまなくチェックしていたのにいつの間にか自分向きじゃない気がして行かなくなって数年経つ。それなのに。

 

キッドブルーのトップスは暖かいし、ケイキィのスウェットはサイズ感が絶妙だし、これ以上のものに出会えると思えなかった。週末のたびに洗濯して、洗濯中は着るものがなくて冬に夏物の短パンをはいたりしてしのいで、乾いたらまた着た。部屋着は一枚で充分暖かくないとリラックスできないと思っていた。料理をしていて汚れがつくと動揺した。シミがついたらお気に入りの部屋着をもう着られなくなってしまう。

 

そもそも部屋着を着る習慣がなかった。外出から帰ってくると、お風呂に入るまでは外出着のままでいた(寝る時はパジャマだけど)。「そのままじゃくつろげなくない?」と洋服が大好きだったその時の彼氏に指摘されるまで、自分の習慣が変だと気づかなかった。私もけっこう洋服好きだったんだけど。っていうかそれまでの付き合っていた人たちはどう思っていたんだろう。

 

ケイキィのスウェットは、洋服が大好きだったその時の彼氏に一番褒められた服だった。褒められたというか、僕が着たい!的な感じだったのでたまに貸してあげたりした。私もそう思ったけど、フリンジがとてもかわいいと言っていた。洋服の好みが年齢に応じてカジュアルからキレイめになるにつれ、スウェットの出番は減ってきたし、その彼氏とも別れてしまった。彼氏がたまに着ていたネイビーは処分し、うすいグレーのスウェットは部屋着になった。その頃から部屋着について考えることをやめてしまった。

 

シュット!インティメイツについて知ったのは、山内マリコの「買い物とわたし」を読んだからで、「下着イノベーション」というタイトルの文章に惹かれてすぐにサイトをチェックした。デザインに一目惚れして適当なサイズを試しに買ってみて大失敗したりもしたけど、リアル店舗にいっていくつか買ってすっかりファンになった。年始のセール前にまた商品をチェックしようと思ってまたサイトを見ていてふと部屋着のページが目に入った。うすいグレーのスウェットパンツ。裾がちょっとだけテーパードされていてキレイめに着こなせるというような説明。二色展開で濃いグレーもあった。隣には「Life is...」と書かれた同じくうすいグレーのスウェットシャツ。

 

今思えばグレーのスウェットなんてそこらじゅうにあるはずだし5年以上もお気に入りと出会えなかったなんて信じられないんだけど、とにかく運命かも?くらいのテンションで注文した。サイズは迷ったけど両方ともLにした。送料を無料にするにはどうとか、いろいろ考えることがあって疲れてしまったけどとにかく注文した。パンツは色違いで2本買った。トップスの厚みがわからなかったのでもこもこのカーディガンも注文した。

 

届いてみて部屋着の進化に驚いた。スウェットなのにラインがきれいでだらしなく見えない。Lサイズを選んだのも正解で、かえって着やせして見える。宅急便もゴミ出しもこわくなくなった。冬の朝はカーディガンを羽織れば暖房が効くまでの時間も寒くない。年明けのセールのタイミングで同じトップスを買い足して週末の洗濯サイクルも完璧になった。ケイキィのスウェットは比べてみたらだいぶくたびれていたことにようやく気付いた。

 

長年着ている部屋着を着られなくなることがとても怖かった。これ以上のお気に入りデザインを見つけられないんじゃないかとか、一枚でこんなにあったかいトップスは見つからないんじゃないかとか、どこに売っているのか分からないジャンルの服を探し回ってへとへとになるんじゃないかとか、、、世の中は進化しているはずなのに。

 

部屋着を難なく変えられてから、こわいものが少し減った。ずっと不調だったiPhone5をiPhone7に買い替えたり、気づけば10年くらいランコムじゃなきゃ、しかもアンプリシルじゃなきゃダメだと思っていてネットで買い足していたマスカラをアディクションに変えてみた。どちらもとても機能的で毎日が快適になった。それどころか、美容に詳しい友人によると、アンプリシルはもう随分前に廃盤になっていて、ネットで売っていたのはものすごいデットストックだったんじゃないかという。いいと思ったものを買い続けてリスクを回避していたつもりが、実は使用期限というリスクに直面していたなんて。